xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>132 夏目央
くどいわね…わざわざアタシの部屋まで案内なんて、そんな事する訳ないでしょ。(もうとっくに諦めたものとばかり思っていた自室への案内を求める彼女の声、呆れの色を隠そうともせずに重い溜息をついてばっさりとそれを切り捨てた。どうやら、案内を断ると言う事を此方もまだ諦めてはいない様である。それから特に気の利いた話題を提供してやるでもなく辿り着いたダイニングルーム、馴染みの無い場所へ案内された時、死にたがり達が見せる反応は不思議とどれもに通っている。驚きと関心、そして次第に表れ始める楽しげな様子。滑らかな質感のテーブルクロスを指先でなぞってゆくその様を傍観しつつ「ただ用意されてるだけよ、必要以上にね。」と彼女の疑問に対する答えを。本来、文字通りに"死にたい"と言う思いに取りつかれている筈のニンゲン達が、この初めの案内の時ばかりは皆何処か楽しそうにしている。つくづく単純で分かり易い生き物だと他人事の様に考えてしまうのは、己がニンゲンと言う存在からは遠くかけ離れているのだという事を己に思い知らせる為なのかもしれない。澄ましきった顔のまま彼女の動きを目で追い掛けてはいるものの、あまり長居をする気はないらしい。丁度、次の場所へと催促しようとしていたタイミングで歩みを止めた彼女と視線を合わせると「悪いけど、此処でアンタと仲良く食卓を囲む気は無いわ。次行くわよ。」と、顎を使ってダイニングルームの入口を示し)
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