──…おや。おめでとうございます、貴方、どうやら素質があるようですよ。如何でしょう?此方で働いてみてはみませんか。
所謂〝あの世〟と呼ばれる中の、此処は地獄。…何故自分が地獄行きなんだって?知りませんよ、閻魔様に聞いてみたら如何です。( 首ゆるり傾け )地獄行きって、結構簡単なんですよ。──…すみません、話が逸れましたね。
恨みを持ったまま地獄に落ちた人間は〝亡者〟と呼ばれる異形になります。それは年々増えてきて…ええ、率直に言うと酷く邪魔なのです。どう抜け道を探したのか偶に天国へ向かう亡者も居るようで…、それを退治、無理にでも輪廻の道へ還すのが私達、〝獄卒〟の役割です。貴方にはその才がある、そう感じたが故の勧誘です。勿論断って頂いても構いませんが、──… 既に地獄に堕ちることが決定した貴方には、後は地獄のような苦しみしか待っていませんよ。
さて。この仕事、受ける気があるのならばお静かに、直ぐに準備をしますのでもう少しお待ちくださいね。( しぃ / 口元指を添え )