桜舞う花街（NL）

あら…よろしいのですか？じゃあ澪様で。私のことは桜、で構いませんよ？…お気遣い頂きありがとうございます。気を付けて帰るようにしますね。…あら、少しお待ち下さい。

（今度のお客様は敬語や砕けた口調をして来る人だなとぼんやり思いつつ相手が自分を年上だと判断したのかあやふやながらも取り敢えずさん付けする様子にクスクスと笑うと呼び捨てで構わないと伝えて。雨の音がしていたので降ってきたのかなとは思っていただけに相手の優しい気遣いにお礼を言い従うと告げて。入ってきた際は気づきにくかったがよく見れば彼のスーツが若干濡れているのを雨粒を払う仕草で気がつき少し待っててほしいと伝えて一旦部屋から出ていき。数分くらいで手にタオルを持ち再度部屋へと戻れば彼の座る椅子の側へ行き、膝を付くと“失礼します”と一声かけて水滴を拭い軽く濡れている髪にタオルを当てると優しく拭いていって）