語り手 2017-10-21 23:25:27 |
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化け物が崇拝される、名も無き世界。
そこには、獣耳が生えた獣人や竜の爪を持つ竜人など、別の世界では“化け物”と呼ばれるモノが当然のように生活していた。
その中で最も人々から敬われたのが“天使”
真っ白な羽を持つ純血の天使は死者を天界へと導き、世界を護る高貴なものとして扱われていた。
しかし、天使はどうにも自分達の思い通りにはならない存在で。
人間と堕天使の間に生まれた天使や堕天使と天使の混血など、彼らの望まない害のある存在も混じっているのだ。
そこから考えて考えて……人間達は一つの“答え”を出した。
それは、天使達を自分の望むものとして姿を変えさせること。
さまざまな物を混ぜ合わせ、かつての世界では
“毒”と呼ばれた物を作り上げた人間は、天使達を次々に捕らえてはそれを天使達に飲ませた。
洗脳薬を飲んだ天使達は実に従順に人間に従うようになり、彼らが思い描いた美しい理想像に仕上がっていったのである。
人間はこれからも、“理想の天使”の虜になる。
そしてその天使も、“理想の天使”として縛られ、生きていくのだ。
誰もがそう思っていたのだ。
“理想の天使”に反発する者が現れるまでは……
__________“てんしのはこにわ”より
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