私の愛しい子供たち。お前たちは私の腕であり足。私はお前たちの力を信じている。必ず私のもとに素晴らしい成果を持って来てくれるだろう。ただし、失敗は許されない。どんな事情があろうとも失敗はしてはならない。さあ、自由にその翼を広げ飛び立つのだ。私は、いつまでも待っている。
絶対にやつらを見つけ出せ。どんなことをしても構わない。やつらは第一級犯罪者たちだ。油断は命取りと思え。我々の技量があれば必ず捕まえられるはずだ。自分たちの力を信じろ。世界トップクラスであることを誇りとして、悠然と戦うのだ。健闘を祈る。
どうしてこんなことに……。同期が次々に殺されていく。本当にいるんだわ。あの有名な犯罪組織が。でなきゃ、教官が目を光らせている中で殺しなんてできっこない。どうしたらいいの。こんな恐怖を感じるために軍人になろうとしたわけじゃないのに。……っ。あ、あなた。ま、まさか。や、やめて。きゃあああああっ。
国際犯罪組織グリムが、とある国軍の訓練生のなかに組織の中でも優秀でたちの悪いメンバーを数人入れたと、国防本庁に宣言したことにより、軍内が騒然となった。数十人もいる訓練生のなかに、第一級犯罪者が紛れ込んでいる。軍人たちだけでなく訓練生たちも周りが犯罪者ではないだろうかと疑心暗鬼に陥ってしまった。そんななかで始まった軍事訓練。
仲良かったはずのあの子が……?
あのふざけている奴が……?
自分と軍人以外は全て犯罪者に見えるなかで、正しく犯罪者を見つけ出すことができるのか。
犯罪者の鋭く尖った爪が首元に突きつけられたまま送る訓練生活。緊張と恐怖が渦巻いていく。
to be continued...