2017-10-07 08:38:48 |
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変わらない毎日。
誰かが手を伸ばし、誰かを掬い上げる。
その掬い上げられた指の隙間から零れ落ちた存在が自分。
零れ落ちたら存在も何も無いけれど、落ちて尚もこの苦しみが消える訳じゃなく、俺は絶えず悲しみと苦しみの波に溺れそうになっている。
嗚呼、今日も掬い上げて貰えなかった..
俺はまるで酸素を求める金魚の様に、口をパクパクとさせながら自分の机で独り、教科書と睨めっこしていた。
すると、何時もなら誰も話し掛けて来ないのに声が聴こえてくる。いや、でも俺にじゃないだろう。そう思っていたら誰かに肩を叩かれた ──
『 ねぇ、呼んでるのに何で無視するの? 』
クラスで一番可愛いあの子が、なんで俺なんかに声を掛けるんだ。嗚呼、そうか授業のことかな。
「 嗚呼..ごめん。で、なにか用事? 」
『 うん、ちょっとね。話があるの ── 』
周りも気にせず恥ずかしがるあの子。
何か言い難い事なんだろうか?
滌死 / 二話目.
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