伊達組沼住民 2017-10-05 22:11:52 |
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(意外なことに問い掛けに反して相手から返って来たのは、譫言の様に繰り返される謝罪の言葉だった。これには流石の自身も目の前のルシェの様子がおかしいと感じ、理由を探ろうと口を開き掛ける。だが、不意に不快感を覚えるほどの複数の視線を感じ取る。視線のみを動かしてその主を辿れば、其処には建物に身を隠しつつもこちらを見ている街の人間達が映った。彼らの瞳には、怯えや侮蔑、果てには怒りなどが篭っていることが汲み取られ、それらが己の眼下にいるルシェに向けられていることが自然と分かってしまう。それ程までに強い悪感情であった。その時に喉まで出掛かっていた疑問の塊がすとんと腑に落ちる。何故このルシェは自身に謝ってきたのか、それは今までもこれからも受けて来た_もしくは受けて行くであろう人々からの偏見の目に対する恐怖からだ。そして、差別をする人間の一人として己もそう認識されているからだろう。一つ短く息を吐くとこの場にもう竜が居ないことを確認し、抜刀していた太刀を鞘にしまう。街の人間達を流し目で一睨みした後、自身の赤い腰布を外すとルシェの特徴である獣の耳が彼らから隠れる様に相手の頭にバサリと掛けていき)そんなに謝られる筋合いは無い。生憎と、俺はああ言う輩の様に差別などには興味が無いんでね。無論、それを良しともしないが。
(/よかったです。はい、問題無いですよ〜。それと私信で、月火土は夜から23時までは返事が返せないのでご了承頂ければと思います。)
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