私達が「今」と呼ぶ時代から幾らか経った、そんな未来のお話をしよう。
今よりずっと技術は発達し、人間一人一人をも機械で管理する、そんな社会になっていた。
人々は更なる便利さを求めた。それが、自由を奪うことになるとは誰も思わなかっただろう。いや、思った人々もいた。
しかし、そのような人々を疎ましく思う『政府』によって彼等は消されてしまった。しかしこの情報社会、そのような事をすれば忽ち人々にその情報が伝わるのではないだろうか?
そう、人が消されたなんて情報は流れなかった。
彼等は、『思想』を、消されたのだから。
人々の思想をも統制し、情報統制国家の完成を目論む『政府』。
彼等は人々にチップを埋め込むよう通達した。勿論、表向きには人々の体調管理などの生活面への向上を推奨するかのように言って。
そんな中、異変に気付き政府から逃れるようにスラム街へ逃げ込んだ人々によって一つの『反政府組織』が生まれる。
政府を憎む知識人、チップを埋め込まれる事を免れていた戸籍を持たない貧民達、様々な人々が集まった組織。科学技術で解明できない力を持ったものも少なくなかった。
しかし彼等の最終目標は「政府を倒す」、その名の元に闘い続ける人々だった。
殆どの地区に監視カメラ、など情報統制を徹底している小国家『プレーティナム』。
自由、統制、戦闘、日常。
今日も、長い一日が、始まる。
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