sweet life （〆）

...そりゃ、妬くだろ。
(　科が違うこともあり、互いにどこかしら不安要素を抱えておりそんな中自分の知らない人達と楽しそうに話している所を目の前で見てしまうとヤキモチを妬く要素しか無く、苦し紛れに少し口角の上がっている相手の頬を掴み軽く引っ張り「ニヤニヤしてんじゃねーよ」と言い　)

……ごへん。
（　頬摘まれてしまうと喋りづらいのか、嫉妬してくれている事実にうっかり喜びを覚えながら一応謝罪の言葉をもごもごと発し、取り敢えずは外なので程々にしようとばかりに摘んでいる相手の手をぺしぺしと軽く叩き早く家に帰ろうとその袖を引っ張り、　）
後でお詫びするから、帰ろ？

はいはい、わかったよ。じゃあ、そのお詫び楽しみにしてるから。
( 相手の顔を見て少し笑うと要求通り手を頬から外すと、ニヤッと笑い「ああ、そういえばちゃんと考えたよ。パウンドケーキがいい」とふとお昼に言われたことを思い出し、しっかり悩んだ結果だと相手に伝え )

ん。何も考えてないけどね。
（　摘まれていた頬を撫でてからにやりと笑う顔に素っ気なくふい、と顔を逸らし、きちんと考えてくれたことに安堵するとこくん、と頷き「分かった。んじゃあ晩御飯作りながらやるな。」とようやく家に帰宅するとポケットに入れておいた鍵で扉開け、室内へと靴脱いで上がり込んで、　）

りょーかい。俺料理はダメだからその間に他の家事やっとくな。
( 素っ気なく顔を逸らした相手に安定だなと笑いを零し、漸く家に着くと自分がポストを見ている間に先に入っていった相手を追い、家に入ると疲れたと零しながら荷物を置き、家の中での定位置となっているソファに座ると寛ぎ始め )

じゃあ風呂洗っといて。
（　鞄を置いてから早速作ろうと袖を捲りながら慣れた様子で相手に頼みごとをするとキッチンの方へと歩いていき、冷蔵庫から材料取り出しつつもパウンドケーキの為の材料も要領よく取り出しては相手と早くご飯食べたい故にてきぱきと調理しはじめ、　）

はーい、結人は料理頑張って。
( 相手から頼まれ事をされると、ソファから立ち上がり腕を捲りながら風呂場へと行き、手馴れたように掃除用具を取り出しひと通り掃除をすると一人頷き、ちゃんと綺麗になっているかチェックし終えると風呂場から戻って来て、朝干して行った洗濯物を回収し )

（　直にパスタ炒める香りがキッチンやリビングに漂い、サラダも別の皿に盛り終わると材料混ぜ合わせ生地を型に流し込みオーブンの中へと入れて。夕食終わるころには焼き上がるだろう、となんだかんだ相手が食べてくれる姿を想像し楽しみに頬緩ませてから夕飯の調理に戻り、　）

んー、いい匂い。今日はパスタかな？
( 取り入れた洗濯物を分け、畳んでいるとキッチンから美味しそうな匂いが漂ってきてお腹が小さくなってしまい、お腹に手を当て今日の夕飯を勝手に予想して、呑気にしていたが洗濯物に匂いが付いてしまうと慌てて作業を再開し、洗濯物を運ぶ際に「いい感じに仕上がってる？」と相手の後ろから夕飯の様子を覗き込み )

まあ、美味しいと思う。…そっち、ありがとな。
（　ふと後ろを通りがかった相手の方に少し振り返ってから現状を話すも相手のために作っている割には愛想のない答え方になったことに若干後悔し、その代わり手元の洗濯物一瞥した後視線を手元のフライパンに戻すと相手に聞こえる程度にボソボソと呟き、　）

結人の料理はいつも美味しいから楽しみ。
( フライパンで炒められている料理を見て尚更お腹が減り始め、「お前もいつもご飯作ってくれてありがと」と相手の首筋にキスし、何事も無かったかのように、洗濯物を直しに互いの部屋へと入りクローゼットへ収納し、部屋から戻ってくるとオーブンに入っているお菓子の様子を見て )

っ、！…お前が食べるから頑張ってんだよ、ばーか。
（　後ろ向いていたせいで相手からの口付けに気づかずびくぅっ、といきなりのことに肩跳ね上げ後ろ振り返るが何もなかったかのように振る舞う相手に悔しげに眉根寄せると部屋に行ってしまった相手には聞こえぬよう小さい声で悪態ついて、ようやくできたパスタを皿に盛ってからテーブルに運び終えるとオーブン気にする相手の姿視認し小さく笑ってしまい、　）
瞬、飯出来たぞ。…お菓子は後で、な？

笑ってんの聞こえてるから。
( 自分の姿を見て小さく笑いを零した相手の声が聞こえており、オーブンから目を離さず言い、暫くの間オーブンで焼かれているお菓子を観察していたがご飯の準備が出来たと相手に声を掛けられるとテーブルを見て「うわぁー、今日も美味しそうだな。さすが結人。」と感想を漏らすとフォークやお茶などの準備をし、それを持ってテーブルへと行き )

だって、子供みたいで可愛いからつい。
（　その返事すら此方を向かない姿はお菓子待ち望む幼子のようで、サラダもセッティングする頃にはきちんと此方にやってきた相手にお茶やフォークは任せ、自分は一旦席について相手を見上げ、ふと家に帰ってきてから一切触れ合いが無いことに寂しさを覚えては用意してくれてる相手に気恥ずかしくなりながらも首ゆるりと傾げながら顔を伺い、　）
ありがと。今日はカルボナーラにしてみました。…な、…夕飯終わったらさ、…もう少しくっついてもいいか？

( 既に料理は並べ終えてあり、運んで来たお茶を置きフォークを相手に差し出し、こちらを見上げて顔色を伺っている様な態度を見せる相手にこちらも首を傾げたがその後に続いた言葉に普段は聞けないようなセリフだった為、ニッコリ笑いながら「もちろん、いいに決まってる。寂しかったの？」と途端に機嫌がよくなり先程の友人達との光景など無かったことの様にどこかへ消え去り、行儀良く手を合わせると"いただきます"と言い )

…だっていつもなら帰ってきたらくっつくのに、今日はなかっただろ。
（　言葉に一度して仕舞えばボロボロと本音が溢れ、外では友人らしく振舞っていた空気も少しばかり甘いものになっては空気に耐えかね軽く手を合わせ自分も「いただきます。」と呟いてからフォークを手に持ち、出来立てのそれをぱく、と口にしながら相手と視線合わせようとせず斜め下に逸らし、　）

あー、それはただ俺が意地張ってただけって言うか……
( そういえば、といつもは家に帰ってきた瞬間、外でのストレスを発散するかのように自分がウザイくらいに相手にくっ付いていたが今日は相手の友人にくだらない嫉妬心を抱いて意地を張っており、何もしていないことを思い出し、「うん、美味しい。」フォークを手にすると一口食べ、相手に向かって感想を言い、そのまま食べ進め )

意地？…あ、もしかしてまだひきずってた？
（　不意に出た言葉に思い出そうと首を傾げていると帰宅前にあった一件を思い出してはもしかしてそれなのではと表情伺いつつ食事を進め、相手の感想が聞けると今日も美味しく作れたと安堵した様子で表情を緩ませ、自分もくるくるとフォークにパスタ巻きつけてはそれを口に運び、　）

なんか、悶々と考えちゃってさ。
( 一時は落ち着いていたがふとあの光景が頭を過ぎり、その事を考え過ぎてぼーっとしていたことを正直に言い、表情を緩ませている相手に自分も軽く口角を上げ、「さすが結人だ。」とパスタを食べる手を止めると相手の頭を撫で、微笑み掛け )

ただの友達だからな？…でもなんか、普段お前が囲まれてるのを見る方が多いから、ちょっと気分いいな。
（　誤解のないようもう一度きちんと断るもいつも学校で見かける相手は自分の知らない人に囲まれやきもきしていたのもあり相手が自分の事考えてくれていることに少なからず優越感得て、不意に触れた優しい手つきに鼓動早め大人しく撫で受けつつ、「…そりゃどーも。」なんて素直じゃない言葉を零しては視線合わすことができず皿に視線落とし、　）