(やがてその日の稽古が終わる頃には外は真っ暗で。皆それぞれ事務所を出ていく中自分も帰り支度をするが、気分が晴れないままで自然に溜め息が溢れ。──そういやカブキの奴もう帰ったのか? こんなやるせない気持ちのまま誰もいない部屋に帰ったら、らしくもなくもやもやと彼の事ばかり考えてしまいそうで。せめて一緒に帰れないか、などと思いながら相手の姿を探す事に)