21572 2017-07-04 15:56:24 |
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… あの人が … ?
( 顔を見るのは後のお楽しみに取っておこうとも思ったのだが 、芽を出した好奇心に抗うことはできず 。誘惑に負けて開けた窓から入り込んできた纏わりつくような熱気は 、いよいよ間近に迫ってきた真夏の訪れを十分に感じさせるものであり 。屋敷の入り口へと続く道に視線を移すと 、緻密な模様の影を部屋に落とすレースカーテンの向こうに 、新しくこの家に仕えるのであろう背の高い男性の姿を捉え ── 何故か既視感を覚えて 。不思議に思う気持ちはあるものの 、それなりに名のある家の令嬢という立場故に両親の仕事等の関係で見知らぬ人と顔を合わせる機会も多く 、恐らく彼もその内の一人なのだろうと特に気にも留めず 。 )
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