さすらいの旅人さん 2017-06-22 13:35:57 |
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…セシル君は、このまま一生元の世界へ帰れなくても平気なのかい。
( 相手が何故、楽しそうに口元を歪めるのか分からない。分からないが、自身との会話の中で喜びを感じ取ってくれたのならそれで良しとしよう。一回り以上も年の離れた若人に願いを叶えてあげる、と無垢な笑顔を向けられれば素直に感謝の言葉を口にして。…と、またもや楽しげな声色で告げられるのはまるで弱味を握ったと言わんばかりで「はは、頼むよ。俺がクビを落とされちゃあ、キミも困るだろう?」調子の良い冗談を交えながら述べて。彼の澄んだブラウンの宝石が行った瞬きを見つめていれば、親しみの込もった嬉しい返答に此方も微かに心が弾まされ。自分の中に存在する魅力とは一体何だろう。この歳になってもこんなに使用もない事で悩むような自分が、誰にも本心を打ち明ける事のなかった自分が、誰かに好意を示される日が来るとは。彼は何の気無しに発した言葉かも知れないが、自身にとってみれば不覚にも胸が暖かくなる様で。然し、喜びを表面に出す事はせず静かに口を開いて、半ば気になっていた、元の世界へ帰るつもりは無いのか…と、態とらしく重苦しい口調で問い )
( / いえいえ、此方こそ… 再び宜しくお願い致しますね。それでは一旦背後は此処で去りますが、また何かあり次第お話致しましょう! )
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