慌てて追いかけたラビの足音と、先に歩を進めていた神田の足音が重なる。 他に足音が聞こえないという事は、このあたりを歩いているのはラビと神田だけなのだろう。 今なら、神田の気持ちを聞けるだろうか。 いや、廊下は一応公共の場なわけだし、いつ誰が通るかわからない。 苦悩しながら歩みを進めていると、ラビの目の前を歩いていた神田が急に立ち止まった。 前を見ていなかったラビは案の定、神田の背中に触れてしまう。