雪月桜(月) 2017-06-17 22:28:12 |
通報 |
気まずい空気に耐えきれずラビが自室に戻ろうとしたとき、神田から予想外の言葉が発せられた。
「時間があるなら、俺の部屋に来ないか」
視線を逸らし発した神田の言葉は、紛れもなくラビに向けたものだろう。
即座に反応できないラビに、神田は苛立ちを滲ませる。
「嫌なら良い」
「待ってユウ、時間もあるし、予定もないさ」
苛立ちを浮かべ立ち去ろうとする神田に、早足でラビは追いかけた。
必死に告げるラビの言葉に、神田は呆れたような声を発する。
「なら、早く来い」
歩みの速度は落とさないが、神田の声の感じは幾分か和らいだようだ。
トピック検索 |