雪月桜(月) 2017-06-17 22:28:12 |
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意地悪な笑みを浮かべるアレンの表情に、神田は拒否の言葉のついでにアレンの頭を軽く叩いてみる。
(モヤシのくせに髪質だけは良いな)
神田はそんな事を考え触れてみたのだが、それはアレンにとって予想外の行動だったらしく、訝しげな視線で見上げられた。
「だからアレンだっていっ……、なんか今日の神田変です、調子狂うんですけど」
アレンの呟く言葉に、やはり踏み込みすぎたかと神田は触れていた手を離す。
あくまで自然に見えるよう取り繕い、神田は近くのソファに座り先ほどの言葉を撤回した。
「気のせいだろう、いらないなら別にいい」
やはりらしくない事はするものではないと、神田は改めて自身に言い聞かせる。
「やっぱり、神田は神田です」
少し離れた位置のソファに腰をかけながら、アレンの口元からそんな言葉が聞こえた。
そして神田から顔を逸らし、アレンは小さな呟きを落とす。
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