ノーネーム 2017-05-25 21:51:16 |
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西嶋→佐原
ああ、なるほど…。ごめん、もう若くないから焦っちゃって。柔軟剤は知り合いが勧めてくれたやつ使ってるからその匂いかも…?
(完全な自分の見当違いだったことに加え、先ほどの醜態。羞恥から僅かに顔が赤く染まり、それをそっと隠すように然り気無く彼の側の頬を手で覆ってから笑い。そのまま適当にやり過ごしていれば、間も無くして夜の冷えた空気が熱を冷まし、幾何かの余裕を取り戻せた。加えて彼の必死の力説にふふ、と笑みが洩れる。彼にはいつも元気を貰ってばかりだ。「…いずれは必要になるだろうけど、君が言うなら暫くこのままにしておこうかな。」いつの間にか外れていた手で、照れ隠しのように項の毛を軽く掻き上げ、少し目線そらし呟く。何だか年甲斐もなく慌てたり照れたりと、情けなく思えたのだ。フゥと息を吐き、気を取り直して取り出したスマートフォンの画面。何度か指をスライドさせた後、ハッと目を見開き彼の腕を掴んだ。「大変だよ、佐原くん!丁度今くらいから混みやすくなるみたい…!」駅前まであと少し。とは言え数秒でも早い方が入れる確率が高くなるはずだ。直前の反省など忘れ、相手の腕を掴んだまま駅に向かって走り出し。)
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