猫さん 2017-05-20 18:00:41 |
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(夏祭り当日。毎年仲間と一緒に行く恒例の行事であったが今年は違う。想いが通じ合ったばかりの相手と約束をしており、表には出さないものの部屋のカレンダーを毎日塗り潰す、なんて少女じみた真似をするくらいには心待ちにしていて。普段着で行くつもりだったのだが飼主が気を利かせて購入してくれた紺の浴衣を一目見てしまえば気に入ってしまい、着付けまで済ませてもらったところで鏡を見ると満足そうにくるくるとその場で回ってまるで別人のようになった自分を色んな角度から眺め。矢張り着慣れた服とは違って落ち着かないが、夏祭りの賑やかな雰囲気には此れくらいがぴったり。白い扇子をシルバーグレーの帯の隙間に挟むと、飼主が財布や手拭いを詰めてくれた巾着を持ち雪駄を適当に引っ掛けて自宅を後にして。玄関を出れば緊張の面持ちの夏木が今正にインターホンを鳴らすかどうか迷っている場面に鉢合わせお互い“あ”と一拍間を置いてから同時にケタケタと笑い出す。春香は夏木が来るのを首を長くして待っているなんて野暮なことは言わないものの、今迄に見た事もないくらい時間を掛けて粧し込んでいるのも知っている。「春香、可愛いから心の準備しといた方いいよ」揶揄う様に其れだけ伝えるとひらひらと片手を振って、すれ違いざまに“冬もすごく可愛いよ”と夏木から囁かれた言葉に思わずドキリ。いつもは人通りの少ない道も田舎の大きい行事ともなれば行き交う人の数も多く、顔見知りの人や猫仲間を見つけては軽く挨拶しながら急ぎ足で相手の家を目指して。恋人の可愛い姿をたとえ飼主であろうとも先に見られてしまったのが悔しいのか、正面玄関からではなく相手がいつも居るリビングの窓に直接向かい「__冬さん、お待たせ」コンコンと窓ガラスを数回ノックしながら夕日に照らされた室内に相手の姿探し)
(/ではでは夏祭りを舞台に絡みましょう…!浴衣デートなんてわくわくしちゃいますね。夏木さんと春香もこの夏祭りでぐっと距離が近づけばいいと願いつつ…千秋も気合入れて頑張ります!新規絡み文出しますね!)
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