猫さん 2017-05-20 18:00:41 |
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(もういっそ、早く家に帰って今日は何もしなかった。暑いリビングで転寝をし、懐いてくれる青年を夢に見た己の深層心理が見せた浅ましい夢だったと言われた方が彼に嫌われるより余程ましと思う。伸びる腕が顔を隠す帽子を払うと冗談が過ぎたと続いて伸びるだろう手に殴られることを覚悟して。腹を括るべく強い力で瞳を瞑ればギュウと両目を瞑り歯を食いしばり、そして耳に届いた熱を持つ声に瞑っていた眼を開いて。重なる様に再び顔が近づけば状況を把握するよりも先に唇が重なっていて。一度開いた眼はただ真直ぐに彼の姿を捉える事しかできず、紅潮する顔を見れば今の行為が本気だと心を揺らし。爪を立てることなく彼の肩口に手の平を触れさせれば引き離すべくグイと押し当てて「―――本気、かよ」顔を離せば片手を使い己の唇を覆い隠し、これこそ今更過ぎるのかもしれないその言葉を、知っている癖に改めて彼から貰おうと尋問の様に重さを持つ声色と、逸らす事の無い真直ぐの瞳で尋ねかけ)
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