884 2017-05-03 19:44:10 |
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ったく、気をつけろよ、風邪を引く
(相手がいつも通りの能天気さで答え、自分が掛けたコートの肩口を手で押さえたことに満足げに、言葉とは裏腹に穏やかに、また明るく口角を吊り上げて。だが相手が怪我をしていることが分かると、眉根を寄せ、目を伏せ気味にしたひどく不愉快そうな表情をして。連日の疲労も有るだろうが、彼1人だけではこんな怪我はしないであろう、「誰か庇ったな?」と、酷薄なアイスグレーの瞳の奥にほの暗い情念をのぞかせつつ問いかけて。そしてその大翔らしからぬ大仰なガーゼの処置に、誰かから治療を施されたことが伺えて、また怒りのようなものがこみ上げ。「……誰が治療したんだ」と、つい避難するような口調になりながらも言葉を零し。)
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