主人 2017-04-17 00:57:10 |
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( 使用人の朝は早い。お日様の目が覚める一時間前。やや重たく感じる身体をベッドから起こすと、シャワーを浴びた後に、何時もの服へと着替える。何時も寝るときは外すピアスをはずし忘れていたらしく、少々耳に違和感を感じた。部屋から出ると、まず始めにリビング等々の掃除を始める。それぞれ担当のものが居るものの、なにも仕事のない己が嫌で、手伝っているのだ。沢山の使用人と会話を交わしながらも、一つ一つの仕事を終わらせていく、この瞬間が好きだ。昨晩の燕尾服よりも断然動きやすい黒のジャケットに黒のズボン、綺麗目ながら着心地の良い優れもの。さて、そろそろ彼を起こしに行こうか ... と言っても、何時も起こす頃には勝手に起きている彼だ。この仕事は要らないのだろうか。己の靴の音だけが響く廊下で、探していた人物が見つかれば、 「 御早う御座います。御主人。」と挨拶した。濡れた髪の毛からして、彼はシャワーを浴びたらしい。髪を乾かしてあげた方が良いのか、否か。過保護なのは承知だが、やはり心配らしく、微かに首をかしげては。 )御主人、髪の毛が濡れていますので、御乾かしましょうか?
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