主人 2017-04-17 00:57:10 |
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ええ、承知致しました。(彼から告げられた言葉に不覚ながら安諸する。歩きながらそう返しては、すれちがうものたちを横目に。テーブルに並ぶ豪華な食べ物は、どれも美味しそうに感じる。彼は、評論家の様に話ながら、ケーキを頬張っていた。己も上手く料理が出来れば良いのだが、家では専属のシェフに作って貰うため、料理をする機械は少ないのだ。昔は、遊びで彼に料理を振る舞ったが、あまり美味しいと言える物では無いことを承知した、苦い思い出が頭をよぎる。なんだかほほえましいその様子に、何だか此方まで嬉しくなっていた。しかし、ふとこちらを向き、口を開かせる為の擬音を使う彼。人が多くいるこの場で、己はどうしたらよいのか。)...私ですか?( 何故己を困らせる様な事をするのだろう。耳元で響く彼の声、その表情に緊張が増す。思わずすっとんきょうなふ声が出てしまう己が憎たらしくて。ふと、仄かに甘いケーキが香っていた。一応、彼の確認を取る様にちらりと一度見ては、差し出されたケーキに顔を近付け、小さく「頂きます」と呟き、食べてみる。祖酌する度に甘酸っぱいベリーの味が口一杯に広がり、飲み込む時には幸せを感じる程。先程の事で、顔が熱く感じるのは何故か。 )
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