主人 2017-04-17 00:57:10 |
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(やはり我が主は流石だった。観察眼に優れている上、その暗記力は羨ましいもの。流石のボイコット家の主も、驚いている様子だった。興奮気味に話す紅色への魅力は、本当に喜んでくれている様。隣にしゃがみこむ主も、何処か柔らかな表情で少女を祝っていた。微笑ましい光景に、ゆるゆると勝手に口許は緩んだ。) .. 、(ボイコット家の主は、去り際にも彼に嫌味のひとつを植え付けていった。それは、まさに傲慢で、此方まで具合の悪くなる様な小さな嫌がらせ。しかし塵も積もれば山となる、彼へのストレスとなっているだろう彼の存在に、己は勝手乍嫌気が刺した。会釈と、彼の礼に合わせて己も礼をする。呟くそれには、ボイコット家の主への返答と化した彼の考えがあったのだろう。やや前から、小さい乍に聞こえるそれの内容まで、聞きとることは出来なかったものの、それは一瞬で己を凍りつかせる魔法のような、冷淡さを纏っていた。しかし、直ぐ一瞬でその魔法を解くように、己を見る彼。紡がれた言葉に、「有難う御座います。」と、控えめながら返答した。あくまで彼の付き添いで来たのだが、それに加えて己は今だ右も左も分からない。パーティで主人に迷惑をかける訳にはならないだろうに。己は誰彼構わず笑顔話し掛ける「ピエロ」のような存在にはなれない。気品のある者として振る舞わなくてはいけない。彼に心配を掛けぬよう、した記を付け足し、彼のやや後ろを歩き始めた。) 御主人も、このパーティを有意義にお過ごし下さい。帰りの馬車はご用意しておりますので、御帰宅したくなりましたら、私に申して下さいませ。
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