主人 2017-04-17 00:57:10 |
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....... 。( 普段は、嫌でも言わない主人の奥底に隠れた本音。彼が嫌なら、断れば良いのに ... 無礼ながら、頭の片隅でそんな事を考えていた。貴族故、マナーは大事と言う事は重々理解してるのだが、彼の気持ちを尊重したかったのかもしれない。何も出来ない己が悔しく、苦笑いをすることしか出来なかった。ふと、己の後頭部にのばされる彼の掌。優しく触れられる感覚に、主の優しさを感じる。既に降ろされた掌が置いた場所には、撫で方からして癖がまだ付いていたらしい。 眉をハの字に下げつつ、「 有難う御座います。 」と。 馬車から降りると、「誕生日」ということで、華やかに装飾された敷地内。持ってきた薔薇の花束は、萎れることなく、美しさを保っている ... それを抱えつつ、彼の隣を歩いていた。通りかかる人々は、既に酒を飲んだらしい者、派手なドレスにやや強い香水の女、様々な者がいた。嗚呼、仕事と言えど苦手なものは苦手。彼から言い渡されるこれからの予定。己も着いていくのだろう、と言うより彼の身を守るのが己の仕事故、当たり前だ。しかし、彼の言い方から感じられる心配の気持ち。己が緊張している事は既にバレバレらしい。「気を張りすぎず、それなりにしていればいい」そう己に言い聞かせ。最後に付け加えられた言葉は、彼がボイコット家から今までに受けた、嫌がらせから言ってくれているのだろう。己の知らない彼の苦労。嗚呼、自分に出来ることは無いのだろうか。 ) ええ、分かりました 。
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