文芸部という名の秘密組織の一員 2017-04-16 17:24:30 |
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「はよー」
「おー蓮、おはよー!」
今日はやけに騒がしい気がする。いつもより少し遅れたから、人が多いせいだろうか? いや、違う。
『朝読書の時間に漢字テストやるからな。範囲は前伝えた通り。勉強しておくように』
黒板に書かれた文字を見て納得する。抜き打ちの漢字テストだ。皆が急いでワークなどを見直しているのを見ると、笑ってしまいそうだ。難しいことなんて何もないのに。
テストや授業が終わり、お待ちかねの昼休みだ。いつも通り4人で集まる。
「見てみてーっ、これ新作っ」
「へー」
「うわ、女子みたい」
新作の可愛いシャープペンを自慢しようとして引かれている。これもいつも通りだ。夏井は流行に敏感で、新しいものには目がない。まあ、某SNSアプリで調べればすぐにわかるようなことだが。
「レンきゅん! 」
「黙れ阿呆」
女子たちに引かれるのくらい、そろそろ慣れてほしい。俺に泣きついてくるのはやめろ。対応が面倒だ。
「どうでもいいけどさ、お前よくそんなに新作買う金あるよな」
「兄ちゃんがくれる」
なるほど、ブラコ......ごほん、優しいお兄さんだ。こいつを甘やかす必要はないと思うがな。お兄さん的にはこんなのでも可愛いんだろう。うん、理解できない。
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