秘密組織 ( 小説置き場 )

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文芸部という名の秘密組織の一員  2017-04-16 17:24:30 
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  • No.5 by とある文芸部員  2017-04-29 22:15:44 

自分の居場所

少しでも離れたら、" 居場所 "はすぐになくなってしまう。色々な人と笑い合っているのを見たくなくて、勝手に離れて。自分なんて必要ないんでしょう? そんな風に思いながら。でも、本当は必要だって言ってほしくて。よくわからないまま、数日がすぎて。

ちらり、と教室の様子を窺うと、楽しそうにしているのが見える。嗚呼、いつも一緒にいたのは私だったのにな。誰よりも、わかっていたつもりだったのに。ちょっと錯覚していたみたいだ。本当、優しいのは良くないよ。幼馴染みじゃなかったら、知り合うことすら無かったのかもしれないのに。立場を利用して、ずっと近くにいて。勝手に一番理解してあげられてるだなんて、思い込んで。迷惑にも程がある。こんな自分、いない方が楽なのかもしれない。私は音を立てずに教室を去る。

離れようとした瞬間、誰かに手首を掴まれた。
「おい、待てよ。何で最近避けるんだよ......俺、何かした?」
「あ、その......」
あんたは悪くない。そう言いたいのに、上手く言葉が出てこない。寂しそうな顔、しないでよ。悪いのは、変に近づこうとしてた私なんだから______。

「......ごめん」
「何で、謝るの? 」
謝らなきゃならないのは、むしろ私の方。謝られるようなことはなかったと思う。特に、何もしてないのに。
「俺さ......」
そう言いかけたかと思うと、急に腕を引っ張られる。人気のないところに着くと、ようやく手を離される。

「あのさ。冗談って思ってくれても、いいんだけどさ」
「え、うん」
何故か真剣な表情になる。こんなところまで連れてきたのには、何か意味があるんだろうか?
「俺がお前のこと好きだって言ったら、どうする?」
「え、え!? 」
予想もしていなかった言葉に、戸惑いを隠せない。きっとからかっているんだろう。そう思うものの、頬が熱くなっていくのがわかる。平常心を、保たなければ。
「......私も好きって、答えたりしてね?」
冗談っぽく笑って答える。嘘か本当かなんて、気付かれないように。

「......すげー嬉しい」
不意に抱き寄せられる。ふわり、と彼の匂いがする。
「昔からね、本当に好きだったんだよ?初恋だし」
「俺も、初恋」
信じられなくて、夢でも見ているかのようで。でも、凄く幸せで。初恋は実らないって噂は嘘なのかもしれないって思った。初恋で大好きな彼の隣が、私の居場所となったのだから。

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