文芸部という名の秘密組織の一員 2017-04-16 17:24:30 |
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夕焼け
「一緒に帰ろ?」
この一言が俺に向けられたものだってことに、最初は気づかなかった。君はいつも明るくて皆の中心。俺はそれを遠くから見ているだけだ。自分に言われたと気づいた時は、凄く驚いた。
「別にいいけど」
「良かった、有り難う」
お礼を言うのは寧ろこっちの方だ。俺に目を向けてくれただけでも有り難いくらいで。一緒に帰る日が来るなんて思わなかった。
ふと窓の外に目をやると、綺麗な夕焼けが広がっていた。
「夕焼け、綺麗だな...... 」
独り言のように呟く俺に微笑んでくれた君が、凄く美しくて。あっという間に恋に落ちてしまった。" 恋はするものじゃなくて落ちるものだ。" やっとその感覚がわかった気がする。
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