◆◇無登録・指名◇◆　フリヰクス　◆◇NBL・異形◇◆

>ロベルト

我了解、サアビスする。でもキミ、ビックリして死んじゃうかもネ。OK？
(大きく拡がるターコイズの目とは対照的に細い瞳を一層細め、相手の真似をして肩から生えている腕を組む傍らもう一本の腕を伸ばしては相手の指にギュウギュウと指切りをして。息が止まるような。心臓が飛び出るような。そんなショーを見せてあげようと伝えたかったものの比喩を操るには言葉が足りず、煽り文句は東洋人のキツイ顔立ちと相まってジョークにしてはギクリとする響きを伴ってしまい。｢ソウ？キミ達だって目玉を2コ、耳を2コ、腕を2コ、足を2コ、上手に動かして生きてる。もう2コ増えるくらい変わらないヨ。ソレに、サアカスはいつだって人手不足だから＿＿こうやって一度に色んなコトができるのは、便利だ｣普通の人間が手足を動かすのと変わりない。そう不思議そうな様子の相手に身振り手振り交えて説明すればおもむろに腕を伸ばし、上の2本は耳や首筋のあたりを、下の2本は脇腹のあたりをワラワラとくすぐって。｢ロベルト、ロベルト……ウン、だからイイ匂いがするんだ、成る程＿＿名前はイェイン。もうスグ30歳のオジサン、だから"あんちゃん"違うカナ。遠い国から来た。この手を笑ってもらうのが、好き。キミみたいにネ＿＿こういうの見るのは、初めて？｣語られる情報は明朗な声に違わず明るく健やかなもの。癖者のお客が多いサーカスだけに、何てことはないのであろう相手の素性さえ新鮮で興味深く思えてニコニコと耳を傾け、微かに漂う日なたの匂いにも似たパンの香りに鼻を鳴らして満足げな一言を。それからイー、アール、サン、と指折り数えて名前と歳を、自分について語れる数少ない事を手短に。語り終えると指先でチョンと肩に触れつつ問い)