とある物語(非募集)

ほぅ……素直に過ちを認めるその心意気、人の子としては悪くない。しかし、教科書？そんな物必要ない、我輩を誰と心得ている。姿は変われど、お前達よりも遥かな時を生きる誇り高き竜であるぞ
(再び相手に顔を向ければ先ほどの怯えた態度から今度ははっきりと聞き取れる声で、失敗による涙も堪えつつの謝罪を受ければ下げられた頭を見つめ、僅かに感心したように声をだし悪くないと一度頷き。けれど相手の提案に険しい顔つきになればもう忘れたのかと不服そうに述べ。考えられる原因を語り、左右の掌を上に向け片手を極端に下に落とせば傾き過ぎた天秤を表現し、身ぶり手振りを交え説明すれば最後に開いた掌を小指から順々に折り曲げ一つの拳を作り上げれば力強く相手の瞳を見据え、それが自分の力を奪った償いだと言わんばかりに言葉にして告げ)
"今の"我輩では解くのは困難だ。だが、こうなった原因は文不相応な力の重みに天秤が釣り合わず壊れたが故に生じた歪みだ。ならば正せば良いだけの話、百に零を掛けた所で零に変わり無いが、僅かでも増えれば変化が起こる。……人の子よ、我輩に身合う力をつけろ、死ぬ気で励め。そして我輩から奪った力を──我輩に返すのだ