ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(重厚なカーテンを巻き込み閉じた先で空が白み始めるのが分かった、主人を見下ろすなど執事からすれば無礼極まりなく、だから主人が唇を、舌先を、狼の首の傷へ寄せた時に突き放すことなど出来はしなかった。主人の呼び声に応えずに、あろう事か主人から逃げたのだから、このまま首を食い破られても文句は言えない。どんなに、目の前のこの疲労を滲ませた男が執事を獲物だと言おうと、逃げることは_違う、執事ならばそうだとしても、ただの野良の狼であれば?瞳孔が音を立てて開いたのが分かる。小さな口を大きく開けて、狼を獲物だと言い張る目の前の生意気な声を消してしまおうと、白く傷のない首に鋭い牙を食い込ませようと迫り)
逃げてやる_狼は、獲物じゃあありません
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