ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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フレア >>1149
ぶちぶち音を立てる砂糖と歪んだノイズを吐き出す蓄音機に意識を傾けていると、そこにワサワサと忙しない風切り音が重なる。
どうやら甘い匂いに釣られ小鳥が迷い込んできたらしい。いや小鳥というには大きいか。
「あら、こんばんはフレアちゃん。これはねー、カラメル。プリンの上とか底の、ちょっと苦いやつ」
仰々しく挨拶をして、程よく瀞みのついたカラメルを火から外し、蓄音機へ向かう。レコードの溝を走る針を持ち上げると、ノイズが止む。酷く歪んだ雑音はあまり人に聞かせるものじゃない。
レーク >>1150
茶色に焦げた砂糖が、宙へ溶ける甘ったるい匂いを嗅いでいるとおもむろに、スゥっと爽やかな潮の香りに鼻先をくすぐられる。もちろん、本当に潮の香りがするわけではない。彼女の怪物としての性質がそう錯覚させただけである。
して、ああ、海の香りがするな。などとぼんやり考えていればその香りの持ち主、鱗の生えた同僚から声をかけられた。
「あらやだ、見つかっちゃった」
しぃ、と口に手を当て、あとでプリンあげるからちょっとナイショにしててね、と片目を瞑る。
古かった卵が材料ではあるが、捉え方によっては主人達の食糧を勝手に食べていることになる上、まず執事長に何の話もしていないのだ。
(/御二方様初めまして!絡み感謝です!!)
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