迷子な主人公さん 2017-03-26 19:17:44 |
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う、…だ、だって仕方がないじゃないですか。こういうの着慣れてな――、っ!?
(振り返ると同時にすぐに指摘される格好。相手の言う言葉は最もではあるが、何となしに悔しく感じてしまう。口調をまごつかせながらも視線を背けて言い訳にも取れるようは言葉を告げかけて、腰紐に手をかける自分よりも大きくしっかりとした手が視界の隅に見えた。同時に驚きから、動いていた口が止まって。一体何をするつもりなのかと、もし疚しいことでもするつもりなら一発殴ってやろうかなんて心持ちで動向を見守る。しかしそれも杞憂だったのか、何事もなく男は服装だけを正し終えた。本当に何もないのかと安心するも、逆に女としては微妙な気持ちになるなぁ、と呑気に考え込んでいた最中、突然近づいてきた顔に再び体に力が入ったのは言うまでもない。首筋に微かにかかる吐息に否応もなくびくりと反応してしまい。今のは流石に変に思われた気がすると内心焦っていたからか彼の返事を求む言葉にも少し遅れてしまい「え…、あ、はい!」慌てて返答をするも思考はやはり先ほどのことに戻ってしまい。この世界の住人は平気であんなことをする人が大勢いるのかと不安がれば、この先やっていけるだろうかといろんな意味で心配を。――ふいに、彼の名前を聞いていないことを思い出し。置かせてもらうんだから呼ぶ名前ぐらいは知っておきたいと思い立って「…あの、名前を教えてください」未だざわつく胸を落ち着かせて、冷静を装った声で問い。)
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