迷子な主人公さん 2017-03-26 19:17:44 |
通報 |
──おう、…ってお前、それぐらいマトモに着られんのか。
( 女の湯浴みはどうしてこう長いのか、長い年月を過ごして来たがいつまで経っても謎のまま。時間潰しに窓の外へ視線向けつつ外の声へ耳を澄ませてみる。例の少女の話題がちらほら挙がっているようで、二階の窓から目を光らせていると後方から掛けられた声に振り向き。本人は如何にかこうにか着たつもりだろうが、此方からすると無理矢理着たようにしか見えないソレに眉を顰めると上記を溜息と共に吐き捨て、丸窓から降るとミシと畳の軋ませながら少女に近寄り。まるで子どもでも拾った気分だ。前がはだけないよう一応気を付けながら腰紐を解くとシュル、と布の擦れる音が静かな部屋に響く。其処に疚しい気持ちは一切無く、顔も見ないままに手早く正確に結び直すとふと薄れた人間の匂いに気付き。濡れた髪の隙間から覗く首筋に身を屈めて鼻を近付けると、くん、と匂いを嗅ぎ「 …まあマシにはなったか。 」 とぽそり呟き。此方の物を食えば匂いは馴染むだろう。フム、と顎に手を遣りながら身を戻しては、畳の上に敷いた布団を指差し「 取り敢えず此処がお前の寝床だ。明日から色々やって貰うが…使えなかったら出て行って貰うからな? …分かったら返事。 」淡々とした口調で述べては返答を待ち。 )
トピック検索 |