迷子な主人公さん 2017-03-26 19:17:44 |
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勿論!女の二言なんて――うわっ!?
(もしここで断られてしまうようだったらもう自分に道などない。半ば願うような気持ちで屋根の上の男が思案するその様子をジッと見つめ。やがて頭上から降ってきた声は、どう考えてもおいてくれるという返答に等しい。気難しかった顔からぱぁっとわかりやすく顔を輝かせて自信満々の答える最中、体がふわりと浮遊感に包まれ。気づけばあの男の胸の中。今までこんなに異性と近づいたのは自分の父親ぐらいしかないのに…!と、空を飛んでいる恐怖よりその恥ずかしさの方が優ったか、か**ちんに固まってしまい。そんな自分に興味も示さずに男がどこかの建物へ降り立ったかと思えばそのまま中へと連れ込まれ。入ってみると棚には多くの服らしきものがしまわれており、まるで江戸時代にあった呉服屋。興味津々に中を見渡していれば突然投げられたそれをなんとか受け取って。ついで一言二言残して男が二回へ消えていくのを見届けて。「……人間くさいって、どういうこと?汗臭いってことなの?」一人になった静かな空間でぽつりと呟いて。そういえば空を飛んでいる時もそんなことをつぶやいていたことを思い出しつつ、試しに自分の腕に鼻を近づけてみるも馴染みの香りしかしない。首をひねりながらも、相手の言う風呂場まで向かおうとするがつま先が部屋の中に転がるモノに当たったか瞬間的に痛みが走り。声にならない悲鳴を上げてその場にうずくまり「なん、で、こんなに散らかってるのよ…」ぷるぷると痛みに耐えながら改めて周辺を見渡して。床はほとんど物で埋まっていると言っても過言ではない。これでは生活しにくいじゃないかと、風呂に行く前に簡単に片付けてしまおうと考えついて。取り敢えずしまう場所がわからないため似たものを集めて壁の端に寄せる、という作業を繰り返し。作業が終わったことにはどうにか足場となる場所ができており、満足気にそれを見ればそのまま風呂場の方へ直行して。)
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