迷子な主人公さん 2017-03-26 19:17:44 |
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( /ありがとうございます!背後は一旦引っ込みますので、引き続きお相手お願い致します。 )
──さァ、お前達も散った散った。
( 泣き出すか、と思いながら言動を見守っていれば予想に反した返事、目を僅かに見開くと唖然としたようにまじまじと見下ろし。先程までの怖気は何処へやら、負けん気の強そうな表情へと変わった少女は踵を返し路地へ消えていく。野次馬を手でシッシと散らしながら己もまた店へと戻って来た──…が、少女が進んだその先に何があるというのだ。あるのは壁だけの筈…嗚呼気になって仕方が無い。すっかり乱されたペースにチッと舌打ちをすると「 …お客さん、悪いが今日は店仕舞いだ、帰ってくれ。 」暖簾を仕舞いながら中に居る客へ声掛け、ブツブツと文句を言われつつも店を閉めては足早に少女を最後に見た場所へ向かう。この体躯が通るには狭過ぎる路地だが、下がダメなら上を行くだけ。ぐ、と足に力を込め地面を一蹴り。勢いのまま背の黒翼をバサリと広げて急浮上すると、あっという間に真下には屋根瓦が連なった景色。獲物を探すように目を鋭くさせてあの少女が向かった方へと翼を羽ばたかせていけば、案の定といった所か、壁を前にして座り込んだ彼女の姿を直ぐにその目は捉え。帰る気が無いのか、と文句の一つでも言ってやろうかとも考えたが何やら様子が可笑しい、と首を捻り。ほんの数秒空を滞空して考えると、少女が座り込む直ぐ隣の家の屋根へ羽音を立てて降り立ち、膝を曲げ頬杖をつくように屈むと見下ろして。「 ……おい。帰らねェのか。 」と絞り出した言葉はとても短く。 )
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