サイノカミ 2017-03-23 21:54:40 |
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>疫病神
(折角出会った自分を屋敷の中の尺度で計ることなく自分自身として見てくれる相手だからこそなるべくならばいい子の自分を見ていて欲しい、そう思うのに投げかけられた問いかけに応える言葉とは裏腹に縋ってしまう自分自身に心の中で嫌悪を強めて。甘ったれだと思われてしまっただろうか、解消することなどなく次々に湧いてきてしまう不安にひくりと締めっぽく小さな嗚咽を漏らしたその時、否定を告げるその声にぱっと顔を上げると丁度相手と視線がかち合い。何処か驚いたように瞳が此方を映した後に背けてしまう相手の仕草、それは過去何度も浴びたことのある異質な容姿を不審がる大人たちのそれにも似ていて「……ごめんね、ちょろぎ」ゆらゆらと視線を落とすと共に顔を俯かせながらか細い呟きを残して。自分の容姿がこの和の国で異質なことくらいずっと分かっていたことだけれど、屋敷を抜け出して出会った等身大の自分しか知らない相手に知らず知らずのうちに期待を掛けてしまっていたのかもしれない。改めてこの容姿への反応を見てしまえば町の賑わいに紛れた囁きも、その囁きから自分を守ろうとしてくれる相手の言葉も何処かよそよそしい気遣いのように感じられてしまいその言葉通りの意味としてはどうしても受け取ることが出来ず。それでも自分に出来るのはただただ人目に触れないよう顔を俯かせていることくらい、そうしているうちにたどり着いた屋敷にてまるで突き放すかのような相手の言葉を聞いてしまえばこれ以上ため込んだ不安を抱え続けることも出来なくなってしまい。「――ちょろぎも、つっこちゃんのこと嫌になった?つっこちゃんが悪い子だったから?……つっこちゃんが、"月子"じゃないから?」抱いてくれていた腕からするりと地面に降り立ち相手を見上げる瞳には涙はなく、不安を超えた諦めにも似た色を浮かべたまま言葉を続ければその答えは求めていない、そんな意思を見せる様に唇をきゅっと噛み締め新たに現れた人物の方へと視線を向け)
>送り犬
――つっこちゃん、今度はどこに行くの?
(連れられてきた屋敷の前に佇んでいた相手、その人懐っこい表情や仕草が纏う此方を安心させようとしているような雰囲気は大人特有の気遣いを感じさせるもので。疫病神とは対照的なその明るさは自分がその腕に飛び込んでいくのを待っているかのようで、だからこそその両腕が自分を抱え上げ何処かに連れて行ってしまうのではないかという疑心を生んでしまい。そもそもそうして大人の腕に抱かれ連れて来られたのが生まれた国とは何もかもが異なる屋敷の一室の中だけの小さな世界、そうして異質なものとして扱われる日々を過ごした身にとって今疫病神から離れることが彼からの拒絶、切り捨てを意味していると受け取れてしまい。静かに相手に投げかけた言葉は既に疫病神に見限られたのだと諦観してしまっているからこそ零れたもの、幼い故の稚拙な発音の言葉であってもそこに込められた感情は酷く冷めていて沈んだ表情のままそちらを窺えば重い足取りながら相手の方へと歩み出し)
(/一度に複数人への行動をお返事させて頂いた経験が少なく些か稚拙かもしれませんが、主様がそれでも宜しければこのままお二方への行動を綴らせて頂きます!もし可笑しな部分等ございましたらご指摘下さいませ。)
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