自堕落な男。 2017-03-17 00:05:23 |
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>>56 紫
……っ、ああ……
(高校時代から凛としており、己とは親しさゆえに軽い憎まれ口すら叩きあってきた気の強い女性。そんな彼女が今、切ない声を絞り出しながら、己に甘えることを願い出ている。散々そうしてくれれば良いのにとからかってきたにも拘らず、しかしいざ現実となると狼狽えるのが関の山。それでもどうにか彼女の華奢な背に手を回し、撫でさすってやるだけの甲斐性はあったようで。
声音から泣きそうになっているらしいことを察すればますます動揺が収まらなくなるが、こんなにも弱い姿を見せる彼女に何もしないということなど考えられず。撫でていた掌を彼女の後頭部に躊躇いがちに持っていくと、ぎこちなく柔らかな髪を撫でながら、しかし照れ隠しをせずにはいられないらしく、顔を横に向けながらぼそっと聞き取られるか聞き取られないかくらいの曖昧な声で呟いて。)
……いつも、このくらい素直になってくれりゃあ良いのにさ。絶対叶わねえんだな、って……十年前からずっと思わされてきたんだぜ。
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