自堕落な男。 2017-03-17 00:05:23 |
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>>詩織
お──おう。
……っ、クソ、こっちだ馬鹿。
(相手の聊か緊張した面持ちが、しかし暖かく受け入れる言葉とともに柔らかく溶け、代わりに笑顔が浮かんだのを見てほっと胸を撫で下ろし。
しかし改めて暗い和室に足を踏み入れれば、このふたりきりの状況で本当に己が望むのは何なのだろう、そんな疑問に思いが及ぶ。先程は震えるほど寒かったのに、なぜこの部屋はこうも暑く感じるのか。月明かりのみの暗い室内で、どうして少女の白い肌だけはくっきりと見えるのだろう。
そんなことばかりに気を取られて油断していたからか、少女が困ったように頼ってきたのにはたと気づいた瞬間、袖をつままれたまま理性が凍りついたように愕然と立ち尽くして。完全に、ささやかな仕草ながら暴力的な不意打ちだった──が、かろうじて残った理性でどうにか衝動を抑え込むと、苦し紛れに唸り声を絞り出しながらぎこちなく部屋を横切り、壁際の小さな棚の引き出しを乱暴に引き。
全く、らしくない──自身をそう罵りながら白い蝋燭と燭台を取り出し、板の間に置かれた小机に置けば、ようやく室内が暖かく照らし出される。これでまたほっとしたように小さくため息をつくと、少女の座っていた布団の枕元の辺りに腰を下ろし、壁に背中をもたれさせ。少女には“布団に入りながらで良いぞ”というようにぽんぽんと掛け布団を叩いてみせたあと、本を枕元に広げてから、未だ熱を持つ己の首筋に片手をやり)
これでまぁ、読めるだろ。おいで、冷えるから布団に入りな。
……しかし、もう少し気をつけろよ。お前、お前は……無防備、過ぎだ。
こちらこそ。良かった、了解。
こちらも同様に変更しました。また何か要望や質問、逆に避けてほしいこととかあったら、気軽に言ってくれな。
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