自堕落な男。 2017-03-17 00:05:23 |
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>>21
ああ、好きなだけ世話にならせな。おまえがいるとこの家の空気も変わるからよ。
んな事言ってもよ……あん? おい、何だ、こりゃ……
(まるで妻のようにこちらの身体を気遣う台詞にややたじたじしたように唸るが、楽しそうに見せられたレシピ本を押し付けられるときょとんとした顔になり、それから怪訝そうな声を上げながらパラパラとページを繰り。が、気がつけば隣の少女は立ち上がり、たおやかに笑み礼を述べて、慣れた様子で奥の和室に消えていく。その華奢な背中を見送ったあと、深々と溜息をつき、料理本に目を戻しながら胸を占めるのは幼い頃にあった寂しさ。ほかの家の子供のように、ねだれば好きな料理を作ってくれる母親などなかった。そもそも母親は、ほとんど家にいなかった──その頃の寂しさを、あの迷いこんだ少女で己は埋めようとしているのだろうか。らしくもなく生真面目な思い悩みをため息ごと無理やりに吐き出すと、新しい煙草に火をつけ、自身も屋敷の中に戻って、あろうことか少女のいる和室を訪ね、襖越しに話しかけ。)
……なあ、まだ、その……起きてるか。
ありがとう、今日も遅くなってすまない。お返事置かせてもらいました。
お、了解、是非とも。こちらこそこんな怪しいおっさんだが、甘えさせてくれたら嬉しい。……冬に一緒に暮らしてたからもうわりと手を出す手前だが、許してもらえると助かります。
あとよかったら、家出少女さんの名前を伺っても? ロルの中で、呼ばせてもらえたらな、と。
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