Devil 2017-03-12 01:06:50 |
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お前の姿が見えなくなってから幾月もの日が経ったが…どうしたものか。真に悔しい事だが、こうして一人祭壇の前に立っていると、時折お前と共に居た時間…交わした言葉の数々を、不意に思い出す事がある。
忌まわしき悪魔が聖なる教会に足を踏み入れるなど言語道断!…などと強がってはいたが、思えばいつも、私はお前があの大きな翼で此の場所へ降り立ち、闇闇の内に私だけに姿を見せてくれる特別な時間を――存外愉しんでいたのかもしれない。悪魔を相手にこうも感情を揺さぶられるなど、よもや聖職者失格だな。神父としての席を追われても文句は言えないだろう。…だが、そんな事はどうだって良いんだ。身の振り方など幾らでも有る。
もし今、どこかで私の声を聞いているのなら最後に一言だけ伝えさせてはくれないか。
お前と過ごしたのはほんの僅かな短い時間だったが、私にとっては掛けがえのない大切な記憶だ。私などの教会に日々足を運んでくれた事に感謝する。
お前が私の知らない所で元気にやっているのならそれで良い。そうあることを祈っている。もし、またどこかで違う形で出逢う機会が有れば、その時は改めて宜しく頼むよ。…最後になるが、充実した時間をどうも有難う。
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