桜木と、蛇の腹の下【隠れ家】

嬉しい、......なぁ、ハザマさん、お願い事してもいいかい?
(自分を指す指をそっと相手の胸元へ移動させくるりと心臓のあたりを撫でると何処か緊張した様子で問いかけ。
少し俯いてはいるものの声はハッキリとしていて｢俺の事、アマネって呼んでみちゃくれないかい｣と)

俺はそういう所も好きだよ。
(お世辞でもない本心からの言葉を述べながら幸せそうに笑えば首に回していた手を相手の頬に下ろし先程相手がしたように頬を包めば優しく触れるだけのキスをして)

そりゃあ大変だ、恋の病はどうにもならないねぇ...
(口では大変だと言いつつも完治されては困る、なんて考えながら呑気に笑う相手に微笑み返して。
器用に簪を避ける相手を感心しつつも｢簪、邪魔なら外しても良いんだよ?｣と声をかけ)

はん...?
(どうして反則だと言われているのか理由が分からず不思議そうな声色で相手の言葉を復唱しようとして。
髪に埋められる頭をぽんぽんと撫でこちらの呼吸と相手の回復を待ち)

苦しい?どうしてだい?
(楽しいのならば良いのでは、と考えるも疑問が残り抱きとめられながら問いかけ。
｢...役者だから、なんてな｣ふと湧いた相手の疑問に誤魔化すような口調で答え)

......流石に嫉妬なんてしねぇけど、行った事があったなんて以外だねぇ。
(そういうものに関して知識があまり無い相手でも訪れた事があるのか、と感心しつつも無意識のうちにほんの少し棘のある口調に変わっていて)