『 森 の 奥 で _ 』 ( nl / 募 ）

── 妖怪ね.. 、 まあ強ち間違いでは無いかもな 。

( 確りと此方を見据えるその瞳を、ちらりと視界に入れる。 少女に悪意が無い事はその表情から更々理解出来るが今迄幾度となく投げかけられた " 妖怪 " だの " 化物 " だの、人間の嫌悪感に塗れた悪意を思い返しては自嘲的な笑みを浮かべ上記を漏らす。突如此方が吐き出した詞が気に触ったかのように声を荒げる少女を冷静に見遣れば 、『 はっ 、御前の何処が違うと ？ 私には理解できないな 。 』まだ何か言いたげに口を噤む相手に悪戯に問い掛ければ緩く首傾げて見せる。 次いで言い終わるより前に少女から吐き出された疑問に良くもまあそんなに興味が湧くものだと些か感心せざるを得ない。異物を取り除いたことで若干和らいだ痛みからか、将又何処か物珍しい少女に警戒を多少は緩めたからか、先程よりは幾分か大人しくなれば 、『 人間は執拗に追うからな余っ程暇なのだろう 。 ___ 薬草 、か 。試した事は無いが ... 』ぽつりぽつりと素直を返答を。 遂には気を張るのも面倒だと思えば気張っていた力を抜き所謂 伏せ の様な体制を取れば御前に薬草が扱えるのかと言わんばかりに訝しげに眉を寄せ 。 )