『 森 の 奥 で _ 』 ( nl / 募 ）

（　　つい、と細められた金の瞳に黒々とした自身の姿が写り、妙な錯覚に囚われる。其の瞳に宿るは怨恨か、虚無か。何処か寂しげであり、意思の強さも窺える双眸をじっと見詰めていると、何処からか声が聞こえ。「　は…？　」そう、一言呟く事しか出来ない程の衝撃。目を見張り、体を強ばらせ、まさか人間が居るのかと身構えてみるも、森の中での生活で培われた気配を読み取る感覚に変化は無く。シンと静寂に包まれた森の中、此処に居るのは自分と目の前の──狼。否、狼が喋る筈も無いのだ。人狼なんてものは御伽噺の中の生き物の筈。まじまじと相手を見据えると、更にまた低く落ち着いた声で一言。「　──今時の狼って、喋るの？　」つい、驚きからかそんな事を聞いてしまい。
ふと考え込む素振りを見せた時、視線を狼の双眸から逸らすと必然的に血の滲む傷口が視界に入る。ハッとして汚れひとつ無い白い布を傷口に被せ。「　この際だから言わせてもらうけれど、私は貴方が何者でも構わない。けれど貴方の言葉への返事は嫌、よ。目の前で弱ってる動物を見捨てる程私は非情じゃないもの。──人間だったら捨て置くけれど。　」　喋る狼の存在を見てしまえば、故意に見せられた牙なんぞ怖くもない。最後の方は憎々しげに呟くとふい、と目を伏せ合わせないように横を向く。人間、驚きが恐怖を支配してしまえば怖くもなんとも無いのかもしれないが。「　痛むわよ。　」そう、ちらりと見遣り乍相手の返事も聞かずに止血の為、ぐっと白い布を押し付ける様にして。　）




（　／わかりました！それでは随時盛り込んでお返事させて頂きます。大丈夫ですよ…！当キャラも変に頑固ですので、どんどん食らいつかせて頂きます故…！
ではではこちらもそろそろ…。何かイベント事等考えつきましたらまた、後程現れます故！これにて失礼致します。　）