赤の騎士 2017-03-01 00:05:01 |
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あら、独善的な夢語りも私は好きよ?鋭く瑞々しい感性を生まれたまま感じることが出来るもの。……でも貴方が更に磨き上げることを望むなら、貴方専属の批評家さんになってあげるわ。
(先導するように屋敷へと歩みを進める相手の背中を追いながら進み行く庭園に視線を散らし、普段過ごす城とはまた趣の違う整えられたその景色に目を楽しませて。芸術家として更なる高みを目指す様に此方に助言を求めてくれるのは光栄だが、思いのたけを書き殴った様な作品の推進力も自分にとっては好ましいと思えるもの、彼の作る作品を服屋に並べられる汎用品とは一線を画す芸術だと捉えているからこそそんな言葉を漏らし。とは言え向上する考えを否定する気はないようで両手の指で輪を作り目元に添えることでまるで眼鏡を掛けた気難しい批評家を真似するようにおどけた仕草を見せながら続け。「塗料……その三月兎さんは画家さんなのかしら」此方に注意を促す相手の言葉で周りに気を向ける様にドレスの裾を軽く摘まみながら辺りを一瞥すると新たに名が出た彼について想像するための独り言のような呟きを漏らし。「__素敵なお屋敷、外観も勿論立派だったけれど中はより趣向が凝らされていて……ふふ、作品の方も楽しみ」足を踏み入れた屋敷内は流石に城よりはコンパクトにまとめられた印象があるもののその随所に趣味の良さが窺える調度品が揃っており、感嘆の息と共に更に高まった作品への期待を口にすると紅で彩った唇をゆるりとつり上げて)
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