赤の騎士 2017-03-01 00:05:01 |
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__綺麗。地上から見ていても夢のような風景だったけれど、こうして見下ろすと本当に御伽噺の絵本の世界のようね。
(湖までどうやって行くのだろうかと考えていた中相手が提案したのは正しく彼にしか出来ない案内だろう、急に抱えられる体勢の変化に少々驚きバスケットを両手で胸に抱えながら目を白黒させてしまったが少しずつ浮き上がる感覚は何だか不思議と怖くはなくて。相手につられるようにゆるりと笑みを浮かべながら促されるままに目下の景色に視線を映せば見知った城や公園、それより先に広がるまだ知らない色とりどりの世界の広がりにほう、とため息交じりに胸がいっぱいになる程の感動を漏らして。「……ふふ、この景色は彼には秘密にした方が良さそう。教えてしまったら、いじらしく羽ペンで空を飛ぶ練習でもし始めそうだもの」やはり相手には中々敵わない、相談事の根本を見透かしたようにかの騎士を暗喩してくるその問いかけに困ったように眉を下げると風に靡く長い三つ編みをそっと指先で押さえながら言葉を続け。案外嫉妬深く愛らしい恋人のこと、きっとこの風景の話をすればどうにか自分も空を飛ぼうと努力してしまいそうに思え、そんな想像に頬を緩めながら冗談を語って)
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