赤の騎士 2017-03-01 00:05:01 |
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フラミンゴさん……ふふ、それでそんなに綺麗な薄桃の髪をお持ちなのね。私は劉 詠凛、この世界の事情も何となく知っているから、お好きに呼んで頂いて結構よ。
(思わず笑ってしまった此方も此方だが、そんな己を見て羞恥を感じている様は何だか安心というか、今まで不思議な住人達に振り回されていたからこそ何とも普通の反応が妙に愛らしく感じてしまい。とはいえこれ以上笑ってしまうのは彼に悪いと表情を引き締めると相手から告げられた自己紹介に納得とばかりの声を漏らして。花の妖精かと尋ねた理由でもあった相手の甘い薄桃色の髪に視線を送りながらフラミンゴの羽根を想像すれば違いないと内心で合点がいき、続いて此方も自己紹介を。ドレスの裾を軽く摘まみながら挨拶をするものの、正直この世界において名を伝えたところではの意味が軽いことは十分に分かっており、だからこそ何処か控えめに移る彼が気を遣うことのないようにわざわざ名で呼ぶ必要もないと暗に付け加えて。「生憎だけど、私一人なの。本当は夜更けに一人歩きなんて淑女のすることではないのだけれど……その、いつの間にか日が沈んでしまっていて……。会ったばかりで図々しいかと思うのだけれど、お城はどちらかご存知ないかしら?」一人の夜歩きなど本望ではなかったために何処か居心地の悪そうな様子で相手の問いへ答えれば恥を忍んで遠回しながらも現在進行形で迷子であることを明かし、困ったような笑みを浮かべながら道を尋ねると一層冷たくなった夜の空気にぶる、と僅かに肩を震わせて)
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