Key-0219　/　非募集

＿＿＿ッ。(世もや夜の森に人がいる事すら珍しいと言うのに、その人物が少女であると驚くなと言う方が無理である。そんな驚きから頭を抜けていた己の失態を思い出す切欠として彼女の笑い声が聞こえると自業自得ながら心臓が痛いような羞恥心が芽生え耳が熱くなり。きりきり、と歯を食いしばれば暫し込上げる羞恥を堪えてから服に付いた土を払い。差し出された菓子を受け取れば"サンキュ"と短くバツが悪そうな感謝の言葉を伝え、どこか落ち着かない様子で地面を這うように落とした視線を泳がせて。ただの女の子、と先の言葉が何を示しているかと言うのは己にも元アリスの恋人がいるからこそ直ぐに察することが出来て受け取った菓子を紙袋に戻してから折り曲げ気味の人差し指で口元をポリと控え目に掻いてから「俺は＿＿……。フラミンゴ。」ただでさえ人とのコミュニケーションは苦手であり、それが年ごろの女性相手となれば難易度は跳ね上がる思いの様で失礼にも視線を向ける事は出来ずに顎を引き俯き気味に自己紹介を。「誰か一緒なのかァ？」ぼつり、と呟くように問い掛けを行えばどう考えても少女が一人は可笑しい、ならば夜道の散歩として誰かが来ている筈。と推測の元、あわよくば遊園地まで誘導して貰えないだろうかと都合の良いことを考えながら周囲をチラリと盗み見て。)