《　朽ち行く速度　／　〆　》

貴方とは違う唯の人だもの、手に入らぬ物は沢山あるわ。そうして払われても求めてしまう程に心惹かれて行く物が夢と呼ぶのかしら、ねぇ。（　神と名付けられた彼の存在を前にくしゃりと顔を歪ませ笑み一つ。上げた視線を宙の魚の如く彷徨わせては問い掛けるとも語るとも無い口調で。　）嗚呼、貴方は無理難題を言うのね。貴方のその言葉が若し願いだと、我儘の一環だと言うのならば、叶えてあげるのが良い主。…けれど、皆の心を全て受け止められずして良い主と呼べるかは疑問だわ。小狐丸、心遣いを感謝するわ、貴方は紛れも無く良い刀ね。私には勿体無い程。（　御免と零し掛けた唇を封じて紡ぐ言葉は緩慢。一度だけ大きく息を吐いて頬を撫ぜる風の如き感覚に瞳を開き、心に灯った安堵に近しい感情に無意識の内に笑みを浮かべ。存外彼の唇から漏れた言葉は柔らかく、随分と軽い。可笑し気だと吐き出した笑みを隠す様に掌で唇を塞ぎ。　）誉に対する褒美にしては幾分か花の無い物よ、貴方には屹度見合わないわ。…えゝ、まだ夜は肌寒いからね。温かいお茶を二つお願い出来るかな。


（　／成る程、其れでは此方の心の中で厳しめに変換しておきますのでご了承下さいませ。勿論御相手様がその様に致したいのであれば此方反論どころか協力の意を示す所存で御座います。其の心に反することの無い様、全力で小狐丸に相応しい女性を作っていきます故、如何ぞ少しばかり長い目で見て頂ければ、と。勿論楽しそうですし是非やさせて下さいませ。小狐丸を失ってしまった審神者が他の本丸の〜でも良いやも、等と考えておりますが背後様はどの様な物が御好きでしょうか？…おお、確かに小狐丸が現世に未練を残していても良いかもしれませんね。実在せぬ刀故の現世への未練、して見たい事等があって、などの理由も良いかと…、　）