《　朽ち行く速度　／　〆　》

ぬしさまにも手に入らぬ物がお有りとな。貴女に求められて居ながらその手を振り払うとは、…憎らしい奴よ。(　遮られた視線は胸中に秘めたる一方的な想いと重なり、叶わぬ懸想の切なさに顔を僅か歪ませて絹の黒髪が緩やかに揺れるを見届け　)　いいえ。これは私の我儘、癇癪に過ぎませぬ。全刀剣奥深くの心のしこりまで掬い取ろうとしては貴女の脆く小さな体が裂けてしまうと云うもの。ですから今の言葉はお忘れください。貴女は主としてこの上なくよくしていらっしゃる。それは決して変わらぬ事実に御座いますれば。(　曖昧な笑みに触れ合いへの諾を見ては深く安堵の息を吐き強張った肩を撫で下ろし、瞳に自らの姿が映らぬ内にと食い入る様な凝視を注いでは無骨な手にそぐわぬ繊細な手付きで頬を通り抜け。冗句を滲ませ問う姿は平生のものに戻っており　)旦那になるには先ず花嫁を娶らねば。誉を取れば与えてくださりまするか。＿＿あゝかたじけない。随分な長話をしてしまいました。仕事に戻られるのであれば御茶をご用意致しましょうか。

(　／不快な思いをさせていなかったと知り安堵しております。しかし厳しくとは難しい要望。私には間違い無く不可能だと頭の中で警鐘が鳴ってしまいましたのでそれだけはご容赦を。お褒めの言葉有難う御座います。それではお言葉に甘え安全な道を捨て敢えて茨の道を突き進むなどと云う我儘をお願いしても宜しいでしょうか。負担などとんでもありません。好きでやって居ることですからお気になさらずともよいのですよ。素敵なお嬢さんを囲い込みたいという薄暗い下心から来るものでもありますので尚更に。他本丸の審神者さんとは又面白そうな展開を。楽しみにして居りますが主様に余裕が有ればで結構ですので無理はなさらず。処で現世への未練を持っているのは律さんと小狐の何方を指すのでしょうか…？募集の文には律さんが未練をお持ちという内容でしたが何方が持っていても楽しく成りそうでつい迷ってしまいました。沢山の案を出して下さり感謝の念が絶えません。　)