悲しき鬼 2017-02-12 20:26:59 |
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(吹き抜ける風が、絹糸の様な白い髪を揺らすのに思わず見とれたのは素直に、その姿が美しいと思ったから。吸い込まれそうな青い瞳としばしかちあった後、静かにかけられた声と言葉にようやく、はっと我に返って。)…ぁ、…えぇ良いお天気。あの、ごめんなさい、私…(うまく言葉が出て来ず、はくはくと口を動かしながら。その間も、相手の青色から視線を外す事が出来ずに、時折日光を反射してきらきらと光る簪とを交互に見つめるだけ。人、なのだろうか――そう疑問に感じたものの不思議と恐怖などは湧いてこない。向けられた柔らかい微笑みに何処か温かさを感じて、深々と頭を下げる)ごめんなさい、あなたのお庭だと、知らなくて。
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