悲しき鬼 2017-02-12 20:26:59 |
通報 |
(澄み渡る青空。地面に落ちる影は短く、柔らかい日差しが降り注ぐ頃。小道を囲む色とりどりの花を愛でながら、緩やかに進める足取りはまるで散歩でも楽しむかの様な雰囲気すらあって。腕に抱きかかえるのは小さな風呂敷包みひとつだけ。たったこれだけが、今自分に残された全てだというのに心はいやに穏やかで。咲き乱れる花が、きっとそうさせるのかもしれない。奥へ、奥へと。鮮やかな色彩に誘われるまま進むうち、ふと、しゃらり、何かの揺れる音を聞いて足を止める。)―…!(注視する先、眩さに小さく息を飲んで)
トピック検索 |